7-7

Platschute

here comes moene! I try to keep my diary

1-12 金

✐☡ 


地下に潜っていく

私は今日、バスに乗って新宿に向かった。私は週三回新宿に通っている。いつもは地下鉄に乗るのだけど、今日は、電車に乗るのも、駅まで歩くのもしんどかったから、その代替案として。家の近くから新宿に向かうバスが通っているというのに、今までバイトに行くために使ったことは一度もなかった。

 

少し気分が高揚して、コンビニでマウントレーニアのカフェラテと、チョコクロワッサンを買った。車内にあまり人気がなくで気持ちが良い。パンは食べていい気がしなかったので、カフェラテを飲みながら、手帳を開き、頭に思いついたことを書き連ねた。今年の目標など。

ここ最近思ったことは、自分がどんな環境にいようと自分自身が面白いと思うことを信じて深掘りしていくことが大切だということだ。

人間は、60日ほどの期間で一つのことを学習していくらしい。(お母さんが電話でそう言っていた)そうだなあ、と思う。たとえば私はとても要領が悪く、気が散りやすい。本屋で働き始めた時、あまりの情報量に頭がついていかず、どんな言葉を使えばいいのかもわからず、自己嫌悪に陥っていた。でも、数ヶ月経って、多分60日くらい働いた頃くらいから、言葉が出てくるようになった気がした。学習したことが身体になってきた、と感じた。そう感じ始めたら楽しくなってきて、「最初はここでやっていけるわけないと思っていたけど、やってみるものだなぁ。それにしても、今までの自分よりも賢くなった気がする。」なんで自惚れながら続けている。学んだり寝たりしていつの間にか変わっていく今の日々を、私は尊いと感じている。

 



帰り道

新宿西口駅のバス停に向かって駆けていく。
アルバイトが終わった時間、21:22

働いた後、いつもは丸の内線に乗りながらお腹を空かせてのたれ死んだように背中をもたれかけている。その体の重さを思うと、今日は帰り道もバスに乗ってみようと思った。新宿駅東口へと向かう。駅につながる通路には、オーロラ調のタイルで、鳥が飛ぶ姿が形作られている壁があった。西武新宿方面につながる出口階段から風が吹き込むので、ここで一瞬さわやかな空気が肺に入る。すれ違い目に飛び込んでくる人たちが歩くスピードは早い。フリースの上着をきた青年は俯いている。俯く彼はどこから来てどこへいくんだろう?と私は思い、その瞬間、ここは本当に新宿だ、私もこの街のこの時間の景色の一部なんだという感慨を覚えた。ベルクでカレーを頼もうとしたら、もう品切れだった。代わりに鹿肉の味噌煮込みのせ丼ならばあるらしく、それと、ビールを頼んだ。隣に座っている母と娘の話を聞きながら、私はスケジュール表に見たい映画を書き連ねていた。自然の近くで、きっと毎日美味しいご飯を作っている、すこし風変わりな母と、自分の意思をしっかり持った娘。声だけ聞いていると仲のいい姉妹のようだった。でも、娘は自分が結婚した相手の家族の義母に変な人だと思われているという話をしていた。彼女は真剣に嫌と思ったことに対して怒っていた。母は、その話に対して、「へぇ〜」という口調で聞き、ちゃんと娘の味方について、そうかと思えば自分が長いこと仕舞い込んでいた、縫い糸の話を始めた。「服をつくろうとする時でもね、下準備が一番大事。」娘はそれに頷きながら、「ね、きっちり型紙を取って鋏を入れて、下縫いをして・・・」「なんでも、丁寧にだよ。それが一番大事なこと。」

 



ビールを飲んだからか、帰り道の体は軽かった。友人も「疲れているとき、何も考えたくない日は、バスに乗るよ」と言っていた。わたしは新宿駅東口から西口へと向かって歩いていく途中で、彼女たちのことを少し考えた。私にとって大切な友人たちだ。私は学校で友達に会うのが怖くて仕方ない時が、少なからずあった。そんな、心がびっこを引いて帰宅していたような期間を思えば、今、大学院に入って「友達と会うのが楽しい!」なんて思えるようになったのは涙ものの人生転換なのだ。彼女たちは、英語で言うと"Genuine"。混じり気のない心で、接してくれる。助け合い、励ましあうことができる。大学も、元来は近所付き合いをするような場所なのだと思う。(RuangrupaというジャカルタのアートコレクティブのAde Darmawanによるレクチャーに参加した際、そのような言葉に出会って、さらにそう思うようになっている。)

 

記憶を消すことはできない
say,
1.2.3...

 

今日は、他にも何人か思い出す人たちがいた。今後生きていく過程でもう一度出会えたらいいなくらいの気持ちで、私は今日の足取りを軽やかにする。スタスタスタ、と歩いていく。一年前より、自分らしくいられるようになった。私は私の生態系を作って、夢を見る。いつかは、旅に出る・・・。

on the bus

 

バスの中で、西新宿のビル群を眺める。都庁のあたりの道路が、雨の日じゃないのに、カーライトで光溢れている。

帰り道、映画を作りたいと思ったが、いつなら実現できるだろう?とても短いものでも。誰か、私の作る映画に出たい人がいたら教えてね。

「仕舞い込んでた糸がね、仕舞い込んでた時は、こんなにあって生きているうちに使い切れるかな...と思ってたのに今は使い切るくらい毎日使ってるんだよ。」

 

 

 

おやすみなさい goodnight  ↟