7-7

Platschute

here comes moene! I try to keep my diary

1-15 月

 

 

 

朝、何度も夢を見た。何度も起きようとするが二度寝してしまう夢だった。

 

この日は朝10時から、新文芸坐ラース・フォン・トリアー上映があり、気になっていたので観に行こうと思っていた。けれど、ようやく起きた頃にはすでに10時だった。

私はそれをDにに伝えた。起こしてくれたら一緒に見に行けたのに、と返ってきた。私は、昨日は夜遅かったし今日はタイミングじゃなかったんだよ、と答えた。

昼が近づいてきた。

コーヒーを飲み、ソファーで話したり、Wes Montgomeryの演奏を聴いたり、Samuel Beckettの映像作品、Krapp's Last Tapeを眺めたりした。人生の終わりが近づいていて、かつ未来に希望もなく孤独に生きている老人が、暗い部屋で自分の人生の記録が吹き込まれたテープを聞くというものだ。切ないを通り越して、これはコメディーだ、と思った。彼は、もう過ぎ去ったが大切だった人との思い出の部分を、怖くなって止めたり、でもやっぱり聴いては反芻したりする。

彼は最後、こう呟く。

"Perhaps my best years are gone, when there was a chance of happiness. but I wouldn't want them back. Not with the fire in me now. No, I wouldn't want them back." 

「この人生の最良の時期は終わった。あの頃はまだ幸福になれた。しかし、もう戻りたいとは思わない。今や、心の中の炎は失われている。(今もあれば。)いや、戻りたいなんて思わない。」

 

 

私が所属していたジャズオーケストラの動画も見せた。Dのお兄ちゃんが、彼らが参加していた小学校のブラスバンドの動画を、笑いながら見せてくれた。みんな全然練習しないから演奏はバラバラで、指揮していた先生は、演奏が終わってから「今日は人生で一番恥ずかしい日になりました」と言ったらしい。

 

私はオーケストラにいる間、一度だけアドリブ演奏のパートを持ったことがある。その曲は"Mas Que Nada"、有名なボサノバの曲だ。

Sergio Mendes & Brasil 66 - Mas que nada, from Eartha Kitt's Something Special 1967k

この動画がお気に入り。ピアニストと、ボーカルの女性二人と、その二人の間でマラカスを持ってただ踊っているだけの男性がいる。英語では、こういう役割のとをHype Manと言うらしい。(HipHopの盛り上げ役としてよく使われる言葉)この曲のHype Manの、空気を掴んでいくノリが大好きだ。こういう人が町中にいて踊っていたらいいなと思う。

 

 

 

自分の部屋まで歩く途中、強い風が吹いていた。下校中のこどもたちが前から歩いてきた。

 

風は遠くから何かを運んでくる。いろんなものが混ざり合う。私は、ここにいることが不思議。ずっといたら自分の人生に戻れなくなりそうだけど、そもそも、私の人生がここではないどこにあるんだ、という気持ちになったり、でもそう感じるということはまだ探し途中で、ここではないどこかがあるんだということも思い知らされる。

 

 

それから、提出書類のための1200字くらいを書き終えて、バイトに向かった。

バスに乗ったら、違う便に乗ってしまった。でもなんとか、いつもと違う景色を見ながら新宿に辿り着いた。ここ数日毎日のようにバスに乗っているけど、毎回違う。隣に誰かが座ってきたり、前の日と反対側の席に座ったり。

 

 

 

 

 

 

働いている間は、レジで19歳のバイト仲間の子とたまに話していた。私が19歳だった頃を思い出す。

 

 

帰り道は、「三月のライオン」を携帯で見ながら帰った。

高校時代の先生が、登校最終日にみんなに教えてくれた矢崎仁の初期の作品。私はこの映画を何度も見ている。景色や音は私の人生に息づくようになった。空っぽの部屋、大きな窓、夜の新宿、ポラロイドカメラ、アイス。今日みたいな寒い冬の日に、凍った硬いアイスを齧るシーン。

 

 

 

𓆛𓆜𓆝𓆞𓆟 ‪今日の音楽は、この映画の中に使われている音楽から。

 

Inti Illimani - Amores Hallaras

today's music

私はこの曲が大好きだ。明るい日に涙が出るみたいに透明な曲

 

today's music2

Yma Sumac -Virgenes del Sol 

 

 

この橋から、携帯電話を落としかけた思い出がある。

 

 

おやすみなさい!